石橋の手帖

2022年2月2日(水)

    『施工品質』

    僕が長年こだわって来たの事の一つが「施工品質」
    施工品質の良し悪しは、基準があるか否かに関わる。
    工務店の木造建築の場合、この基準がないことが多い。
    実際に、過去、我々の会社も、施工品質は職人に委ねられ、職人の腕によるものも多かった。
    併せて、現場監督の目や経験が大きく影響する。

    だから、職人の心の教育に力を入れてきた。僕が出来ることは、ここしかない。
    彼らは十分に技術は高い。だからこそ、心にフォーカスした教育をしてきた。
    その真骨頂が清掃。
    「現場の美化と施工品質は正比例する。」
    これは僕の持論。

    しかし、どんどん建物が高度化してくる。基礎構造、木構造、金物、シート、断熱。。。

    そこで、数年前にひだまりの施工基準を明確にした。
    元々基礎構造にはこだわりが強く、色々と挑戦をしてきた。
    建築業界の常識は、僕にとって非常識の事が多い。
    いつもの施工を是として標準化とし、図面化し、共有化する。
    スリーブ開口の補強筋や型枠剥離剤の使用規定、アンカーボルトの位置、コンクリートのクラックの基準・・・
    実のところ、文系のくせして技術に強い僕は、この基準を作成する会議が楽しくて仕方なかった。

    基準と標準化が出来ると、始めてまともなチェックが出来る。
    このいかにも単純であり、当たり前のことが、この建築業界ではまだまだ整っていないとのこと。

    その基準作りの作成に関わってくれたのが、ネクストステージ。
    年間何千もの全国の現場を監査している会社。
    当然に現場の知識と経験が多く、良きパートナーを得た。
    今現在、10回の監査のうち、5回をネクストステージに依頼をしている。
    第3者の目を入れることで、現場に緊張感が生まれ、甘えと妥協を許さない。

    そのネクストステージの短期監査レポートの報告を先日受けた。半年毎にレポートとしてまとめてもらい、ひだまりの施工品質の現在地を監督別にチェックする。
    今回のレポートでは、監査時の指摘事項が少ない。
    これが、ひだまりほーむの施工品質の成績。
    1件の家で、最小3カ所の指摘。
    多くても10カ所程度の指摘事項。
    ネクストステージの担当者さん曰く、
    「社長はこの指摘回数に驚かないかも知れませんが、物凄く少ないんですよ!」
    とのこと。
    一般的な施工会社は20~30カ所の指摘事項があるそうです。
    多い会社では100ヶ所を超えるとか。
    その意味では、この指摘回数の少なさは、全国レベルだそうです。

    素直に嬉しかったです。
    自分たちだけでやっていれば、分からないこの力。
    第3社にチェックをしてもらっているからこそであり、標準施工が明確にあるからチェックが出来る。

    併せて、嬉しかったのが、
    工程上、監査前に施工を進めしまう場合が多々あります。
    その際は、監査が出来ないため未検査となります。
    しかし、事前に監督がチェックを行い、写真に納めています。
    よって、写真での監査が出来、未提出の写真がゼロとなります。
    すなわち、全項目をチェックしている。
    しかも、これを4人の全現場監督が実行している。
    ネクストステージの担当者さんが言うには、「しっかり監督がチェックし
    写真に納めて報告している監督は全国的にもそういない」とのことです。
    実際に1年前のレポートでは、数ヶ所そう言ったことがありました。

    どうやら、長年を掛けて現場監督を育てて来た成果が出ているようです。

    僕は現場に行くと、重箱の隅をつき回ります。
    断熱の欠損と連続性、防水シート、テープ処理には特にうるさい。
    金物の断熱処理は要注意(笑)
    入隅と下屋根の取り合いの防水シートは美しさが基準だったりして、浮きやヨレ、破れは当然に許しがたい。
    ピーンと貼られた防水シートは美しい。
    美しさと言えば、足場のシートも然り。特に足元のたるみや余りを美しく。
    ここ重要です(笑)

    時には、抜き打ちで石膏ボードを外して、窓枠のスキマの断熱を確認したりしてきた。
    信用していない。と言うのではなく、僕が安心したい。というワガママ。
    時には、大工や職人との戦いも。
    断熱処理は何度も理屈を説明し、欠損の恐ろしさを説いてきた。
    むろん、監督たちにも同様に。

    そんな戦いの成果を確認できて、ホッとした安堵よりも、監督や職人への感謝の想いがこみ上げる。

    以前に監督の平野が、高品質ではなく、幸品質を目指す。と話してくれた事がある。良い言葉だ。
    まだまだ改善の余地はあるが、一歩一歩近づいてるよね。

    そんな彼らの努力を知り、
    全ての物件で作られ、お客様に提出する現場監査報告書は光輝いて見えます。

    社内へのメッセージには、調子に乗って、「施工品質日本一を目指そう!」
    と言って見ました(笑)。
    またそんなこと言ってぇ~。。。
    ふぅ~。。。
    という声にならない声が聞こえて来くるようです(笑)。
    がしかし、言葉にすることで、そこに向かうから面白いものです。

    良く考えてみると、一番大事なことは、チェックしやすくするために、基準を作り、標準化することだね。

    溢れ出る想いで長文になってしまった。

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