石橋の手帖

2020年11月10日(火)

    『この時期』

    生粋の野球ファン(阪神タイガースファンです)である私は、毎年この時期は色々と考えさせられます。
    ドラフト会議により、未来のタイガースに想いを馳せ。一喜一憂をする。
    おぉ~。とか、あ~とか。
     
    2020年のドラフト会議でタイガースは8名+1名の9名の指名権を獲得しました。
    ドライチの佐藤君(近畿大学)は、今年のNO.1野手の声が高く、ワクワクさせられます。
    そのほかの指名選手もそれぞれ能力が高く、数年後に主力を張ってくれたらと、ファンとしての高ぶり。
     
    一方で、戦力外通告もこの時期。
    長年タイガースを支えてきた藤川球児や能見、福留が球団を去ります。その他にも残念ながら期待を一身に受けた選手が契約の更新をしない旨の通告を受けています。
    当然にそこに協議はありません。宣告であり通告です。
    プロ世界は結果がすべて。
    結果の残せない選手は、強制的に退場をさせられる。
    プロの世界は本当に厳しい。
    秋は光と影のコントラストが明確になり、ピシッと線が引かれる。
     
    一方で、我々だって「プロ」である。
    しかしながら、プロ野球の世界のような厳しさはない。
    毎年、この戦力外通告の報道を聞くたびに、色々と考えさせられる。
    我々に世界に戦力外通告はなく、特に僕自身は、結果が出なくても、何度も何度も諦めずに教育し、チャンスを与え、期待をし続ける。
    今年は、コロナ渦ということで、もしかすると戦力外通告を受けた人も多く見えるのかもしれない。
    が、僕にはその文字はない。
     
    野球の世界と同じ目線で考えるわけにはいかないが、今年戦力外通告を受けた選手の無念さや悔しさを考えると、胸が痛くなる思い。
    我々は本当に恵まれている。
    アスリートから学ぶことが多く、だからこそ、僕自身はアスリートを応援したいと思っている。
    僕のいくつかある夢の中の一つが、
    「アスリートのセカンドキャリアを支援する事業」という漠然としたものがある。
    野球でも、サッカーでも、ラグビーでも、アマチュアのスポーツでも、みな、一時代を築いている。
    タイガース同様に応援しているサッカーJ3のFC岐阜の選手もまた、高校や大学時代に、何かしらの栄光をつかんでいるからこそ、今現在プロとして生きている。
     
    一方で、残念ながら多くのアスリートは、学生時代あまり勉強をしていない。
    また、一つのスポーツしかしていない。
    若くしてアスリートを職業にしたため、世間での経験が圧倒的に不足している人も多い。
    若い選手の中に、若気の至りでミスをした報道も多々聞く。
    一般常識の外側で生きてきた人も多いのであろう。
    20代後半で引退を迫られ、社会に出て行った際に適応できない若者が多いと聞く。
    コーチなどで再就職を出来る人は本当に一握り。
     
    しかし、彼らは、前に書いたように一度は栄光をつかんでいる。
    大事なことは、運だけで栄光をつかんだわけではなく、
    僕なんかよりも、ずっとずっと壮絶な努力をしたからこそ。
    休みもなく、練習に明け暮れていたはず。
    その努力がセカンドキャリアと結びついていない気がしてならない。
    一度は歯を食いしばって懸命に生きた人は絶対に強いと思うし、意味の有ることだと思う。
     
    だからこそ、アスリートのセカンドキャリアを支援してみたい。
    まだ何も動いていない。だからまだまだ夢物語。
    もう数年後にでも、真剣に考えてみようと思う。
    この時期に、毎年思う僕の決意と方向性であり、
    我々は恵まれていると確認をする時期でもあります。

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