情緒を考えてみる
- スタッフブログ
こんにちは。
設計部の中嶋です。
さて最近買った本ですが。。。
少し難しい「情緒」の話でした。
「情緒と日本人」
すごく面白く、難しく、いろいろ考える本でした。
その中でも「日本人というのは、時間ではなく、時という流れの中に自分を置いている」
というような話が印象的。
何となく私が解釈した内容ですが、
時間の中で生きているという考え方だと、
「有限の時間の中で、自分というものをいかに満たしていくか」を考えます。
本書によるとそれは欧風の考え方だそうです。
日本人は大きな時の流れの一部に自分たちがいると考えることができるようで、
言葉として「ご先祖に顔向けができない」「末代まで恥」などなど、
自分自身の生をが先祖から引き継いできた流れの中の一部として、考えるそうです。
また庭木が芽吹き、花をつけ、散っていくのも、時の流れの一部。
そこに自分自身を照らし合わせることができるからこそ、
単純に花が咲いているから「きれい」と捉えるのでなく、「美しさ」を感じるのだと思います。
なんとなくですが、「変化していくこと」ということに、
日本人は美しさを見出していくような。
自然素材のいいところは、時とともに変化していくこと。
それが劣化でなく、熟成していくことだと思います。
今の時代、きれいで変わらないことに注力されていますが、
自分自身とともに、「美しく」「熟成」を重ねていくのが、
「情緒」につながっていくのではないかと思います。
先月、お引渡しさせて頂きましたお庭。
お施主様が手を加え、コンクリート板は少しづつ汚れていくでしょうが、
それがまた木の家の味わい深さに相まって、美しい庭になることを楽しみにしています。