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『社寺専門材木屋としての歴史』

『社寺専門材木屋としての歴史』

  • 社長ブログ

ひだまりほーむの会社としての正式名称は「鷲見製材」
製材、すなわち、材木屋である。

 

創業から95年の歴史の中で、80年程度は材木屋としての歴史である。
その中でも、社寺建築用の木材に特化した時代が長かった。
僕が入社した23年ほど前は、製材機の台車で挽かれる木材は、青森ヒバやケヤキなどの木材ばかりであった。
しかも、社寺建築で使われる木材は、基本的に節があってはならず、「無地」という最高級品である必要がある。
よって、土場には立派な木材が鎮座していた。
当時は、北海道から九州まで納材をしており、フェリーで木材を運んだなんて話も聞く。
社寺建築用材で、難しい木材ほど、鷲見製材が扱うことが多く、専門的な木材への目利きや入手のルートを持っている。
その特性は、今なお、住宅建築に活かされており、ひだまりほーむの木材が他の会社の木材よりも美しく、キレイであり、凛とした空気を出している理由となっている。
特に、現在のひだまりほーむの住宅にその流れを見て取れるのは「階段」
今なお、ヒノキの無垢材で大工が手加工し、掛けられる。
しかも、無地の木目の美しい階段である。
何度も集成材や既製品にしようかと、議題にあがってきた。が、その度に「否決」をされる。
なぜならば、階段にこそ、鷲見製材のアイデンティティが詰まっているからである。
大工にも、その階段の事を聞いたことがある。
彼らもまた、階段の造作が楽しく、技術の見せ場であると話していた。
その自慢げな顔がとても印象深く、大工のプライドを感じる。
社寺建築を手がけた時代の名残は、階段に見ることが出来るという事です。
がしかし、そういった想いは、中々伝わって行かない。。。
致し方ないとは思うモノの、どうにかして伝えていきたいと願っている。

 

さて、先日、役職者を連れて京都の松下幸之助資料館とPHPに伺った際の帰りに、真言宗智山派・総本山智積院へ彼らを案内した。
広い境内の中に、鐘楼がある。
この鐘楼こそが、鷲見製材で1993年に納材した「現場」である。
鷲見製材の年表にはそのことが写真と共にしっかりと書かれている。
だから、当然に「知識」としては知っている。
が、若いスタッフは現物を見たことはない。
現物の社寺建築時代の現場を見て、それぞれが感じたコトがあったらうれしい限りである。
現場を生で見ることは何よりも学びになる。
僕個人的には、一巳さんや増さん、均さん、今なお頑張る細野さんを始めとする製材の職工さん達の働く姿を思い出し、先人たちの汗の元に今があるコトを想い、目頭が熱くなりました。

 

ひだまりほーむの歴史の中には、こうして、お寺などの寺院に木材を納めていた歴史がある。
誰もが取り扱えるような技術ではない。
木材や、その目利きの技術に誇りを持って欲しい。
ひだまりほーむの住宅木材は、そういった社寺建築のROOTSの延長にある。
ひだまりの家は、品がある。
ひだまりの家は、凛としている。
ひだまりの家は、美しい。
そんな評価をもらうことが多々ある。
その理由は、社寺建築で培った木材へのスタンスと愛情の上にある「美しい目利きされた木材」にあるコトを忘れてはいけない。