全国の工務店社長ベスト10に選ばれました
- 取り組み
全国の工務店の中からトップランナー10人に弊社社長 石橋常行を選出いただきました!
【掲載誌】
「変えよう!ニッポンの家づくり」をテーマに工務店向けの情報を発信する業界紙
『新建ハウジング』(新建新聞社発行) 新春特集号 「トップランナーたちのビジョン・戦略」
個人ブランドを形成するフェーズに総展から撤退しWeb上に仮想空間
新型コロナで何か変わったことがあるかと問われれば、「ない」と言える。アプローチの仕方が異なるだけで、根っこの部分は変わっていない。正確に表現すれば「あらゆることが背中を押され、加速度的に進んだ」ということだ。こういった社会的危機を経て、理念が判断軸になることを再認識することができた。
約10年掛けて、人間を中心に置いた決断をする「人間大事」、しがらみにとらわれずに自由な発想を育む「融通無碍(ゆうずうむげ)」の哲学で経営してきた。ようやく芽が出て、花を咲かすことができた。蓄積してきた理念が浸透し、社員はコロナでも右往左往することはなかった。物事の見方や考え方を伝え続け、そのベースが積み上がっていたことが大きい。一定の段階まで組織が成熟したと自負している。組織・集団で力を発揮してきたが、間もなく次のフェーズに移る時がやってきた。
2021年は「個人ブランドを形成しよう」と社員に伝えている。個々のブランド形成を高めていくことで、それが集合体になった時、強い力を発揮する。理念、目指すべきものがブレなければ、あとは各自の表現方法の違いだ。既成概念に縛られることなく、のびのびとやるべきだ。そういった余白の部分がない限り、イノベーションは生まれない。
コロナ前から構想にあったこととして、3年後を目途に総合展示場から撤退する計画だ。総展は不特定多数を相手にする商売。コロナによって「誰が何を言うか、誰から何を買うか」という信頼をベースとする価値観が加速した。コミュニティーを育みながら「特定多数」にアプローチする取り組みは、ビレッジ戦略を用いて、昔から力を入れてきた。今後はその進化系にチャレンジしていく。
Web上に仮想空間「ひだまりタウン」をつくって、そこで住宅を見学できたり、コミュニケーションを取ったり、モノの売り買いを行う仕組みをつくる準備を進めている。オーナーも巻き込みながら30棟をそこに設置し、既存の顧客と、そのつながりのある人々との縁づくりに力を注ぐ。これまでやってきたこととアプローチが異なるだけで、目的は変わらない。
地域工務店は不況や危機に強いはずだ。それは、本質的な仕事を生業(なりわい)にしているからだ。コロナにより、生活者の暮らしの価値観に大きな変化があった。「家族と暮らしを楽しみ、時を楽しみたい」という価値観やそれを実現する家づくりへの“回帰”が進んでいる。それを提供できるのは、私たち地域工務店だろう。