石橋の手帖

2022年7月4日(月)

    『今こそ小エネへ』

    省エネが叫ばれています。
    電気が足りない。。。
    このことは、住宅業界では結構前から分かっていたこと。
    今後ますます、住宅の省エネ化も加速していくでしょう。
    とても望ましいことだと思います。
    太陽光発電の義務化も賛成です。
    自分が使う電力を自分でまかなう。というシンプルな話。
    とても良いと思います。
    しかし、だからといって、
    湯水のごとく電力を使うのは如何なものか。。。
    理屈から言えば、自分で発電してるからいいでしょ。
    という論法で、高断熱にしないという事も考えられる。
    残念ながら、低断熱の家に10Kもの太陽光を乗せている住宅を散見してしまう。。。
    なんか違うんだよなぁ~。と首をかしげたくなる。
     
    そういった、省エネ化が進む中で、
    僕が大切にし続けているのが「小エネ化」。
    高断熱住宅を取組み10年超。
    それ以前から、この小エネ化は叫び続けてきた。
    省エネ化は、機械設備や断熱などの
    ハードで解決することが多い。
    窓の取り方や大きさ、
    窓自体の性能によるところも大きい。
    モノや設備だからこそ、計算が出来て数値で表すことが可能で、アカデミックな人たちが好む。
    YouTubeには、この辺りの情報が多い。
     
    一方で、小エネ化は、暮らし方に注目をする。
    情緒的な話をすると、風鈴の音で凉を感じる。
    みたいなことも一つ。
    風に吹かれた風鈴の音は心地良い。
    暑い夏に一時の心地よさを提供してくれる。
    ガラスの風鈴も結構だが、南部鉄の風鈴の音も好き。
    当然に、窓が開いていなければ聞こえない。。。
    この辺りが、省エネとの違い。
    他にも、風の通り道を作っておく。
    風は、入口と出口がないと窓を開けても入ってこない。
    大きな窓があっても、
    出口に至る風の道を設計しておかないと流れない。
    加えて、気密性がある程度高くなければ風通しのいい家にはならない。
    もちろん、風鈴の音を聞いて温度が下がるはずはない。
    が、凉を「感じる」ことはできる。
    僕はこのことをロジカルには説明できない。
    科学的に証明している。という話も聞くが、
    あまり関心がない。
    良い物は良い。としか言えない。
     
    一方で、使用電力を抑える必要があり、
    そのためには、断熱が欠かせない。
    というのが僕のスタンス。
    だから断熱を強化する。
     
    一応記載しておくと、
    断熱はG2を基本とし、C値は0.8程度を基本としている。
    当然に耐震等級3は基本。
    僕にとっては当たり前の基準。
    だからこその「小エネ」の必要性をいつも説いている。
    理屈の省エネ(数値・計算)は
    これまでも取り組んできたし、これからも取り組む。
    しかし、行きつくところは、窓を小さくし、
    開かない方がいい。という話になる。
    極論の理屈上は窓がない方が
    耐震も含めて有利という事になる。。。
     
    情緒の小エネ(感情・心情)は、
    僕にとっては省エネよりも歴史が長く深い。
    光や陰、風や季節の香り。
    雨を喜ぶ樹木。
    やかましいほどのカエルの大合唱。
    木の実を突く鳥たち。
    真っ赤に染まる紅葉。
    雪にワクワクする幼子と犬。
    あっ行き過ぎました(笑)
    小エネから離れちゃった。
     
    いずれにせよ。
    この両方のエネルギーを両立した住まいが僕の理想です。
     
    省エネ化をすすめながら、
    小エネな暮らしのステージをつくる。
    これがひだまりの家。
    両方大事。

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