石橋の手帖

2022年6月14日(火)

    『日本人の本質』

    いま改めてこの本を再読しました。
    この本が書かれたのは、1982年のようです。
    今から40年くらい前。
    松翁は、日本人の伝統精神として、以下の3つを上げている。
    ①衆知を集めること。
    ②主座を保つこと。
    ③和を貴ぶこと。
    この本の中では、その他にも、
    報恩の念のことや、文武両道のこと、民主主義のこと、
    第二次世界大戦のことなど多岐にわたり書かれている。
    そのどれもが、上記の3点に集約される。
     
    今、改めてこの本に触れた理由は、
    ここ最近の日本という国を俯瞰的に見ていて、
    思う所があるからである。
    松翁もこの本の中で、
    日本の伝統的な精神が失われつつあると、
    警笛を鳴らしている。
    実に40年も前のことである。
     
    どうも、今の日本という国は、
    矢印が自分に向いているように思う。
    自分さえよければいい。
    やり方のいかんにかかわらず、勝つことが重要。
    自分の想いや意見が通らなければ、切り捨てる。
    権利を訴え、調和することへの努力を怠る。
    欧米に憧れ、欧米に倣い、欧米化を旨とした時代。
    僕自身は、そこに興味はあっても、
    僕が欧米化することはない。
    欧米の良さを認めつつ、取り入れ、
    自分なりにアレンジし消化する。
     
    住宅業界も然り。
    他社をそっくりそのまま真似をし、区別がつかない。
    のではなく、
    他社の良さを認めつつ、取り入れ、
    自分なりにアレンジし消化する。
    器用ではないが、それしかできない。
    この本に触れたことで、
    僕自身が、いかにも日本人らしいことに気づく。
    自分を見失わずに、受け入れ、尋ね、
    革新しながら前進あるのみ。

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