石橋の手帖

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2022年6月2日(木)

    『「家」づくりをやめませんか?』

    どうも怪しい。
    この住宅業界は、家を売っているようだ。
    そりゃそうです。
    しかし、家って本当は単なるツールであり、箱。
    本当はそのツールで
    何をするのか?
    何をしたいのか?
    つまり、
    そこでどう暮らすのか?が大事なはず。
    工業化された「商品」としての住宅が増え、
    その商品に住む人が
    合わせる暮らし方や生き方を選択している。
    それはそれで商売としてはいい。
    商品と考えれば、どう売るか?がテーマになる。
    プロモーションや
    ブランディングが上手な商品が選ばれる。
    むしろその方が商売としては成功をすると思う。
    が、僕はそんなに器用ではない。。。
    商売も上手ではない。
    しかしながら、強がりではあるが、
    器用でなくてよかったとすら思える(笑)。
     
    僕は「順番が逆」な気がしています。
     
    どう暮らしたいか?
    どう生きたいか?
    こども達にどんな大人になって欲しいか?
    がまずあって(考えて)、
    それを実現する為のツールとしての
    家のあり方を考えるべきじゃないか?
    そこを起点に家づくりを考えれば、
    おのずと大切にしなければいけないコトが
    見えてくるはず。
     
    僕が家を建てた時に大事にしたのは、
    こども達が「感性の高い大人になって欲しい」
    との願いから、暮らしを想い、人生を考えた。
    だから、窓が大事で、
    その窓から見える風景が大事だった。
    そこには樹木があり、鳥が遊びに来る。
    季節を感じ、天気を感じる。
    穏やかな景色。
    強い風が木々を揺らしている景色。
    昨晩の雨を感じる、水に濡れたデッキ。
    久しぶりの雨で喜んでいる植物たち。
    そんな朝が普通の日常。
    庭と窓で感性を育む。
     
    もう高校生になったこども達は、
    割と感性が高いように感じる。
    小さい頃は「雨の匂いが好き」とか言ってたなぁ~。
    もうそんなロマンチックなことは言いませんが、
    しっかりと心根には宿っていると思います。
     
    家づくりをやめませんか?
    暮らしづくり、人生づくりを始めませんか?
    家づくりはツール選び。
    ツール選びは、性能や素材、
    デザインで選ぶことになります。
    iPhone13にしようか、PROにしようか、
    12でもいっか。。。10なら安いな。。。みたいな感じ。
    それらの性能・素材・デザインはとても大事であり、
    僕の住宅屋としてこの20年間、
    猛烈に拘ってきたことでもある。
    そんな僕だからこそ、家づくりをやめる提案をしたい。
     
    今考えて頂きたいのは、
    どんな暮らしをしたいのか?
    どんな人生を歩みたいのか?
    どんな大人に育って欲しいのか?
    どんな老後を過ごしたいのか?
    だと思います。
     
    家はつくらない。
    心豊かな人生をつくる。
     
    それが僕の哲学です。
    家づくりから、
    暮らしづくり、人生づくりに変えていきたい。
     

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