石橋の手帖

2021年9月24日(金)

    『てまひま』

    効率化や合理化。
    今の時代に大切な要素。
     
    であるがしかし、
    「てまひま」を否定してはならない。
    我々、住宅に携わり、モノづくりをしている身からすると、この「てまひま」がとても重要になる。
    既製品でパパっと作ることもできる。
     
    しかし、そこに味気はない。
    料理も一緒。
    出汁からとったみそ汁はやっぱりうまい。
    ついでに、自分で作った手前味噌なら、なおのこと旨い。
    既製品の味噌はやっぱりなぁ~。。。
     
    建築で考えると、扉の枠の木材は最初から森にその形で生えているのではない。
    丸太を製材し、大工が手を入れて初めて使える素材になる。
    そこに、人間の目と手が必要。
    既製品は、機械がその形を作る。
    そのモノは、現場に入ると、そのまま取り付けられる。
     
    人間も同じ。
    「てまひま」かけて関係を構築する。
    「てまひま」かけて育てる。
    横着すれば、そのまま関係性に跳ね返ってくる。
    人のぬくもりは、その「てまひま」から感じ取ったりする。
     
    効率化や合理化とは真逆かもしれないこの「手間をかける」という「てまひま」の価値を、
    人肌が恋しく、暖かい心が恋しい今の時代にこそ、見直したい。
    非効率な「てまひま」は、まだまだ捨てたものではない。
     
    あえて言えば、
    もっと効率悪く、
    もっと無駄に、
    もっと時間を使う。
    って感じかな。
    ん~。やっぱり時代錯誤か(笑)

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